ここ最近の日本では一昔前と変わって、人材不足のため氷河期時代に比べると転職自体が容易に出来るよう変化しています。
しかし転職するにあたって、どのように現職をやめればいいのか、またどのタイミングで職探しをすればいいのかなど悩むことが多いと思います。
また失業保険などは聞いたことがあっても、実際にどの流れで受給できるのか体験したことがないと不安が多いでしょう。
他にも仕事を辞めるとどのようなことにお金が引かれるのか知ることとなり、思っていたよりもお金がなくなっていきます。
このあたりを知っているか知らないかで退職後のプランが大きく変わるかもしれません。
そこで今回は私の体験談を元に、どのような流れで転職活動をし、どのような受給を得られたのかを紹介したいと思います。
目次
1.退職の流れ
まず退職するにあたって考えなければいけないのは退職後すぐに就職するのかどうかです。
退職後に空白の期間を作るかどうかでメリットが大きく変わります。
まず退職後すぐに就職した場合のメリットは…
- 年金や住民税、健康保険などの負担を給与の控除でまかなうことが出来る
- 確定申告を自分で行わなくても良い
- 厚生年金から国民年金の切り替え、健康保険の切り替えをしなくてもいい
- 堕落せずにすぐ次の仕事が出来る
このあたりがあげられます。
逆に退職後に空白期間がある場合のメリットは…
- 控除の内容や失業保険など社会の仕組みに詳しくなる
- 失業保険で高額の受給がある
- じっくりと転職活動が出来る
- 自分のやりたいことをがっつりと出来る
このあたりでしょうか。
私は日本一周するために退職後も空白期間があるパターンでした。
いろいろと新しいことを考えるのがめんどくさいという方は転職してすぐ就職できるように、在職中から転職活動していく方がいいかもしれません。
その際に転職活動自体は会社に報告する義務はないので伝える必要はないと思います。
むしろ伝えてしまうと、現職で過ごしにくくなったり、雰囲気が悪くなる可能性があるためリスクが高いように思われます。
退職自体を制限する権利は会社にもないため、転職先が決まってから報告して退職の流れの方が問題が少ないでしょう。
では私のように空白期間があることを選んだ場合はどのようにしたのかというと、退職することは最終勤務日の6カ月ほど前に直接の上司に伝えました。
そして全員の前で退職を発表したのは1か月くらい前だったかと思います。
先程書いたこととやってることは真逆ですが、上司との関係性は悪くなく、元々なんでも伝えることが出来ていたため事前に伝えることが出来ました。
その間は長期にわたる仕事も振られないため、これは早めに伝えたことによるメリットかなと思います。
それから退職願を提出し、有休を全て消化して退職の運びとなりました。
有休を使い切ると退職金が支払われ、いよいよ収入が0となります。
ここからは生きているだけでかかるお金などを知らないと予想よりも早く貯金が消えていきます。
どのようなことにお金がかかるのか次の段落で説明します。
2.転職までかかる費用、もらえる手当
晴れて無職になるときに知らないといけないことがあります。
それは税金や年金についてです。
これらは生きているだけで必ず納める必要があるため、黙っていてどうにかなるものではないです。
基本的にかかる費用として、住民税、年金、健康保険の3種類です。
これらは仕事をしていた時は控除で引かれていたため、あまり払っていた実感はありませんが現実となって襲い掛かります。
まず住民税は年収によって変動するため一概には言えませんが、私の場合は月額1万弱ほどでした。
これを3カ月に一回まとめて払うため2万円台となります。
住民税は免除になる条件がありますが、かなり厳しい条件なのでほとんどの場合は支払う必要があると思います。
所得割・均等割ともに非課税の3ケース
まず、上記の所得割・均等割ともに非課税であるケースとは
- 生活保護法による生活扶助を受けている方
- 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が125万円以下(給与所得者の場合であれば年収204万4000円未満の場合これに該当します)
- 前年中の合計所得金額が市区町村の条例で定める額以下の方
の3ケースです。
次に年金ですが、会社に勤めている時は厚生年金など加入していたのですが、退職してからは市役所に行って国民年金に加入する必要があります。
これも必ず行った方がいいです、なぜならば行かないと未納扱いになるからです。
国民年金の加入手続きをしていなくても、退職後は納める国民年金保険料が発生している状態であり、これを無視し続けると特別催告状の通知が来て、最悪の場合には差し押さえとなってしまいます。
しかし国民年金は住民税よりも免除対象の幅が広く、失業後は全額免除を受けられることがあるため、無視するよりもしっかりと加入してから免除の手続きをすることをおすすめします。
ただし、将来もらえる年金の額に影響するため、気にされる方は就職してから追納することで給付額の減少を防ぐことが出来ます。
ちなみに2020年時点では月額16410円です。
健康保険は2通りあり、1つは前職場で加入していた健康保険の任意継続です。
もう1つは国民健康保険の加入です。
前職場から任意継続で加入する場合は、前年度の収入から算出する国民健康保険より安く加入できる可能性があります。
しかし永続ではなく、期間限定であるためいずれは国民健康保険に切り替えないといけません。
またこちらの支払いも義務となっており、滞納することでいずれは差し押さえになるため必ず支払う必要があります。
ちなみに国民健康保険だと前年度の年収が400万の場合は月額およそ26776円となります。
ここまでを合計すると毎月およそ50000円弱かかる計算となります…!
更に大学で奨学金を利用していた場合はこちらの返済も容赦なく来るため、生きているだけでもどんどんお金がかかってしまうため、あまりのんびりと転職活動は出来ません…
ここまでで無職になってからかかるお金を紹介しましたが、それでは退職してからどのように過ごせばいいのでしょうか。
退職してからまず最初にしなければいけないのはハローワークに行くことです!
ハローワークで求職するつもりがなくても必ず、しかも出来るだけ早く行く必要があります。
なぜならハローワークに行って求職の手続きしてから、失業手当の受給までに時間がかかるからです。
すぐに転職するつもりでも、手続きしてから7日間は待機期間となり、この間は就職活動が出来ません、この期間に就職が決まると失業手当はもらえません。
そのためこの期間では条件の合う職場探しに留めておき、実際の面接などの予約はこの待機期間以降にしましょう。
退職は会社都合と自己都合の2種類があり、前者はすぐに失業手当の支払いが始まりますが後者は更に3か月待機する必要があります。
他にも手当の給付期間や給付額など大きく変わるため、失業手当をあてにしている場合は注意が必要です。
こちらのサイトにて詳細が書かれているため参考になると思います。
https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/11173/
待機期間後にハローワーク主催の失業保険に関する説明会が開催されるため、必ず参加しなくてはいけません。
その後に1回目の失業認定があり、そこで求職活動をしているかどうかの確認がされますが初回は説明会が実績として認められるため、大きな問題なく終わるかと思います。
これら説明会や失業認定日は基本的にハローワークから指定された日時であるため、スケジュール管理に注意が必要です。
自己都合退職の場合だと3か月の給付制限があるため、2回目の失業認定はこの制限期間後になります。
しかし前述のように収入がない上に、毎月かかる支払いはどうすることも出来ないため、失業手当給付まで待っても貯蓄は大きく減ってしまいます。
無職期間で何かしたいことがあるなど目的がなければ早めに就職先を決めた方がいいです。
そうすると失業手当がもらえないように思えますが、実は給付前に就職出来てももらえる手当があります。
それが再就職手当です。
この手当の前提条件として給付日数の3分の1以上残っているとありますが、一度ももらっていなければ余裕で条件をクリアすることが出来ます。
もらえる額は
支給残日数 × 給付率 × 基本手当日額(上限あり)
給付率
支給残日数3分の2以上の場合 70%
支給残日数3分の1以上の場合 60%
と残日数が多ければ多いほど得となるので、失業手当目当てで無職期間を伸ばす意味があまりありません。
注意点としてはいくつか条件があることです。
待機期間後1ヶ月はハローワークかハローワークが認める人材紹介会社の紹介による就職であることだったり、前の職場と関連がない職場であることなどが特に注意する点かと思います。
詳細はこちらのサイトにて記載されているため、私が書くよりもずっとわかりやすいです。
https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/9561/
しかしここで一つのことに気が付きます。
再就職手当では給付率がかけられているため、失業手当満額の60~70%の額しかもらうことが出来ません。
そしたらやはり失業手当目当てで就職を先延ばしにした方がいいのでは?と考えるかもしれません。
実は他にももらえるかもしれない手当があります。
それは就職促進定着手当というものです!
これは再就職先で6カ月以上働いた時、前の職場より給料が下がった場合に適応される手当となります。
収入アップ目的以外で転職したのであれば、条件を満たす可能性が高く、失業手当満額から減った分の埋め合わせにもなります!
手当の種類は実はかなり多く、説明会で雇用保険が使える手当を勉強することが出来ますが、私は他にも移転費が支払われました。
移転費は現住所から往復4時間以上かかる場所への就職が決まった時に支給される手当です。
私は旭川から札幌への就職(約140km)が決まったため、対象となりました。
この時の手当はおよそ10万円程度と予想以上の額でした。
このように失業手当満額目的で就職を先延ばしにしなくてもその他の手当で補填出来るため、目的がなければ早期に就職した方が絶対にいいです。
毎月年金や税金などが引かれることも考慮しないといけないので、失業手当をもらうための就職先延ばしはかえってマイナスです。
その他の雇用保険による手当はこちらのサイトでまとめられております。
流れをまとめると
1.退職後、ハローワークに行く
2.待機期間7日間を過ごす
3.説明会を受け、第1回失業認定を受ける
4.就職活動を開始する
5.就職が決まったら、ハローワーク職員から手当などの説明を受ける
6.受給に必要な書類を送る
という流れになります。
また実際に手当をもらえるタイミングは
失業手当→3か月受給制限後の失業認定日から1週間以内
再就職手当、移転費→就職後1か月程度
就職促進定着手当→申請後2週間~1か月(申請開始まで就職後6か月)
となります。
私は全部合わせると前の職場の月収のおよそ2~2.5カ月分くらいだったと思います。
せっかく転職するのであれば、雇用保険を使わない手はありません!!
私は引っ越し代などで数十万円かかりましたが、雇用保険のおかげでなんとかなりました!
ただし雇用保険での失業手当の受給条件に被保険者期間が2年間で12カ月以上必要だったり、何度でも繰り返してすぐにもらうことは出来ないため、条件に注意が必要です。
3.転職の手段
ハローワークで求職を探すという方法が一般的かもしれませんが、私は転職サイトをいくつか利用して次の職場を見つけることが出来ました。
特にお世話になったのが
転職活動してから初めて知ったのですが、転職サイトで条件を送ると担当の方から連絡が来て実際に話を聞きたい職場や面接の日程などを調整するのですが、多くのサイトではこの連絡のレスポンスがかなり遅いです。
詳しい条件や求人がまだされているか聞きたいと連絡してから1週間以上待つのが当たり前です。
前述のように無職でも生きているだけで毎月お金がかかるのでたまったもんじゃありません。
しかしその中でも上記2サイトはレスポンスが早く、すぐに電話相談が出来たため面接までの流れがスムーズでした。
カイゴWORKERでは担当が面接までついてくれたり、面接の内容についての確認などサポートが手厚かったです!
そのため圧迫面接など不条理なことは起きないと思います。
自分で探すとひどい面接の場所もあったので、時間を無駄にせずに済むというのが大きなメリットですね。
転職活動における最大のポイントはレスポンスが早いかどうかだと感じたので、紹介させていただきました。
上記2サイトは医療・福祉のジャンルに限るのですが、転職する時にはレスポンスが早いかどうかを参考にしてみるといいかもしれません。
4.まとめ
ここまで転職の流れや雇用保険でもらえる手当を実際に経験した内容に沿って紹介しました。
自分で調べると情報量が豊富すぎて理解まで時間がかかることが多かったので、当記事では簡潔にまとめてみました。
人材不足のこの時代では氷河期時代に比べると転職は容易になっていると思うので、気軽に転職を考えることが出来る時代になっていると思います。
体調崩したり、生活が破綻するくらいなら転職しちゃった方がいいかもしれません。
当記事を読んでいただきありがとうございます。