- 臨床での評価や治療
- 実習生や他部門、後輩への教育
- 臨床研究や学会発表
目次
1.臨床での評価や治療
理学療法士を目指している学生であれば、ほとんどの方が臨床現場で働くことを想像していると思います。私は以前に急性期病院で働いていたので、一日の流れを簡単に紹介します。
7:50 出勤
8:00 リハビリ部内での勉強会
8:20 朝礼や掃除、カルテ情報確認など
8:40 臨床開始
12:00 昼休み
13:00 臨床開始
17:00 カルテ打ち込み
18:00 帰宅
ここまで書くとそこまで忙しくないように思われるかもしれません。
しかしこれに加えて、カンファレンスや添書作成が入ってくることがあり、また後輩と新患の評価や治療に同行することもあるため、実際に臨床業務が完全に終わるのは19~20時までかかることが当たり前でした。
一日平均15~18人程度の患者の予定が入っており、各々が時間通りに行くわけではなく、検査や受診、または清拭やトイレなどと重なるため、予定通りに進行することの方が稀です。
2.実習生や他部門、後輩への教育
今やほとんどの医療機関で実習生の受け入れが行われていると思います。
最大の理由としては自分より若い世代の教育をしっかりと行うことで、今後この業界を拡大させていくということがあげられます。
また実習生の受け入れによって学校から利益も上げられるため、病院や施設の経営に役立ちます。
臨床の現場で働いていると他部門のリハビリの理解というのも必須となります。
他部門と協力できるかどうかでリハビリの効果は大きく変わります。
例えばNrsと協力できれば、自主練などを促したり、離床時間を拡大することが出来ます。
これは急性期においてとても大きなメリットとなります。
Drと協力出来れば今後どのような方針で進めていくかの会話も行いやすくなりますし、協力出来る部門が多いほどリハビリでも多くのことが取り入られるようになります。
しかしそのためにはリハビリでどのようなことをやっているのか皆さんに理解してもらう必要があります。
そのため院内研修などで講演などすることが必要になってきます。
1.臨床での評価や治療
において一日の流れを紹介しましたが、こういった講演会などの準備のためのスライド作りやリハビリ部内での予演会も入ってきます。
3.臨床研究や学会発表
近年では急性期病院だと遅くても3~4年目くらいまでには学会発表を目標としている病院が多いと思います。
研究の始め方としては3つの流れがあります
①.自分で研究したいことを見つける
②.既に研究されているテーマへの反論や別の解釈などを見つける
③.共同研究者として他者の研究に参加する
①はかなりハードルが高く、実際にやりたいことがあっても既に同じことが行われていないか論文を読み漁る必要があり、またどのような研究デザインにするのか指導出来る上司や先輩がいないと採択まで行かない可能性が高いです。
しかし研究者としては非常に大事な考え方であるため、まずは指導してもらえる人を探すところから始め、相談など重ねていくことが最も近道になると思います。
②はとりあえず学会発表を研究するという点でポピュラーな方法でもあります。利点としては前の研究と同様の方法で実施することが出来るからです。もちろんなぜその研究を行うのか、何を知りたいのかが自分の中で明確になっていないと壁にあたることとなってしまうので、こちらも上司や先輩と相談の上で進めるのがベターです。
③はとりあえず研究ってどんなことするのだろうとか、学会発表はどんなことをするのだろうとか流れに慣れるというところでは最も入りやすい選択肢かと思います。大きな病院であれば、この流れになることが多いと思いますので、まずは上司や先輩がどのように取り組んでいるのかしっかり学習していきましょう。
そしてこういった研究活動もその他の業務として入ってくるため、私が実際に退勤していたのは22時過ぎることがよくありました…
土日返上で研究やスライド作成することも多く、また研究活動は残業として認められていないことが多いのも事実です。(自己研鑽という便利な言葉がよく使われます)
簡単にどのような業務が行われていたかを紹介しましたが、あくまで急性期病院の一例であるため、全てがこのようなスケジュールになるとは限りません。
また最大のメリットとしては、症例数が増えること、講演会や実習生の教育、研究発表とこれらの活動を行うことによってPTとしての経験値は大幅に上がります。
もちろんモチベーションがないと継続は困難となりますが、将来を見据えると幅広い活動を行うことが出来るようになるので、卒業後に教育や研究がしっかり行われている病院を選択するというのも一つの選択肢として考えてもいいと思います。
みなさんの参考に少しでもなればと思います。